2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について
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春季人権週間プログラム講演会『アンガーマネジメントー怒りに振り回されないためのスキル』を対面・Zoomウェビナーにて開催しました。講師に、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事の戸田 久実(とだ・くみ)氏をお招きし、怒りを上手に扱い、怒りに振り回されない生活を送るにはどうしたらよいか、アドバイスをいただきました。
2023年度人権・ハラスメント対策センター主催の春季人権週間プログラム講演会は、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏をお迎えして、対面・オンライン併用で行われました。「アンガーマネジメント—怒りに振り回されないためのスキル」をテーマとして、「怒り」について考える内容となりました。日々の生活を思い返すと、他者とのコミュニケーションの中で「イラっとしたこと」や「腹が立ったこと」がひとつやふたつ思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。私たちの日常はコミュニケーションによって成り立っていることからも、非常に実践的な内容となりました。例えば、怒りを感じたときには怒りを怒りとして表現するのではなく、相手に対してリクエストとして、何を、なぜ、どのようにしてほしいのか伝えることが必要であるとの指摘は、すぐに実践できるスキルといえます。
戸田氏によれば、アンガーマネジメントは「怒りと上手に付き合うための心理トレーニング」であるといいます。続けて身近な怒りの経験を問うことから語りはじめ、その怒りの原因となっている人や出来事は何かと私たちに問いかけます。そして軽妙な語り口から、怒りは人や出来事から生み出されるものではなく自分自身が生み出している感情であると説き、このことを認識することがアンガーマネジメントのスタートであるといいます。講演の中で一番印象に残ったのは、「怒り」は自分自身の願望、期待、価値観から外れたことが起きたときに発生するという話です。「怒り」を理解するためには、自分自身の「こうあるべき」という価値観を理解することが重要ということです。これに関連して、戸田氏はコミュニケーションの相手と価値観を共有して、すり合わせることの重要性を説きます。このように考えると、「怒り」を理解することはコミュニケーションの本質を表すものではないでしょうか。私が専門とする経営学の領域でも組織内のコミュニケーションは重要なテーマであり、価値観の共有・すり合わせが大事である点において、アンガーマネジメントはこのコミュニケーションと深く関連しています。つまり、組織に属する個人としても、皆に等しく有意義なことだと理解できます。
最後に戸田氏は、広く他者の「こうあるべき」を理解・尊重することの重要性を強調します。他者の「こうあるべき」を理解し、尊重することは多様性を受け入れることにつながりますので、アンガーマネジメントは多様性を受け入れる社会を実現していくためのひとつのきっかけになるのではないでしょうか。「怒り」を理解することは自分と他者を理解し受け入れることです。これを機会に是非一度ご自身の「怒り」について考えてみてはいかがでしょうか。
(ビジネスデザイン研究科 安田 直樹 准教授)