電子メールは、一般の手紙に比べると形式を重んじることは少なく、「拝啓」や「草々」といった一定のルールにしたがって書かなければならないというようなことはありません。しかし、基本的には個人間でやりとりするパーソナルなコミュニケーションツールであり、文面によっては人間関係を悪くすることもあります。相手の顔が見えないからこそ、誤解を受けたり、不快な印象を与えたりしないような配慮が必要です。
また、入学後は、教授や職員といった目上の人へパソコンから電子メールを送ることも増えるでしょう。就職活動などでも、初対面の方へ電子メールを送る必要が出てきます。そのようなときに日常的に友人間で送受信している携帯メールのつもりで送信しては、失礼だと思われてしまうこともあります。とても親しい友人でもない限り、電子メールには最低限のマナーが必要です。次の点に気をつけながら、マナーを守って自分らしさを表現してください。
メールのマナー
きちんと名乗り、挨拶をする
携帯電話であれば、登録されている場合は名乗らなくても相手の電話に名前が表示されますが、電子メールでは名前を書かなければ、誰からのメールかわかりません。メールの最初に名乗り、きちんと挨拶をしましょう。これは、電話をかけるときと同じです。
タイトル(件名や題名)は分かりやすく付ける
内容が分かるようなタイトルを付けましょう。「連絡」や「こんにちは」といった題名では、中身を読まないと内容が分かりません。内容を見なくても、タイトル一覧で中身が分かるようなタイトルをつけると、相手もどのメールから読むべきかが分かります。
内容は簡潔に、読みやすく
ダラダラと長い文章を読まされるのは、誰でもいやなもの。簡潔にまとめる工夫をしましょう。重要な事項を最初にまとめる、箇条書きにするといった工夫をすると読みやすくなります。メッセージの引用も最小限にとどめましょう。
また、読みやすいように、適度に改行することも必要です。
読み返してチェックする
本文を書いたら、送信する前に内容を読み返しましょう。誤字、脱字を見つけることができますし、分かりにくい表現や書き足りない箇所がないかどうか、逆に重複したり、冗長な表現がないかもチェックできます。
電子メールでは相手の顔が見えないので、ちょっとした表現が誤解を招いたりすることもあります。とくに、怒っているときなど感情的になりやすいので注意が必要です。一呼吸おいて見直してから送信すると良いでしょう。
気をつけたいこと
相手が読めない可能性がある文字は使わない
使っているパソコンの機種によっては、送った文字が表示されなかったり、おかしな記号に置き換えられてしまったりすることがあります。次の文字は使わないようにしましょう。
- (1)半角のカタカナ
- 半角のカタカナを読めないパソコンもありますし、将来、規格外となることが予定されている(JIS 規格から削除されます)ので、使わないようにしましょう。
- (2)丸数字(数字を丸で囲んだ文字)
- 「1.」や「(1)」などに置き換えます。
- (3)ローマ数字
- 「1、2、3」といった数字や、「I、II、IV」といった英字の組み合わせに置き換えます。
- (4)罫線
- 「-(マイナス)」やハイフンなどを並べて代用します。
- (5)単位記号
- 「cm、kg」といったアルファベットの組み合わせに置き換えます。
ファイルを添付するときは相手のことを考える
ワープロソフトや表計算ソフトで作成したファイルや、画像ファイルを送信する際は、相手がそのファイルを開けるかどうかを考え、注意して送りましょう。相手がそのアプリケーションファイルを持っていない場合は、テキストファイル形式で保存しなおして送付するなどの工夫が必要です。内容を確認してもらいたいだけなら、html 形式やPDF 形式も使えます。また、サイズが大きい場合は、圧縮してから送る方がいいでしょう。
チェーンメールに参加しない
「このメールを読んだら、○○人に転送してください」といった内容で、多くの人にメールを撒き散らすものをチェーンメールと呼びます。不幸の手紙のようなもので、まったく意味はありません。受け取っても他の人に転送しないようにしましょう。
「みんなに知らせてください」というメールの中には、デマが紛れこんでいる場合も多々あります。慎重に対処してください。
迷惑メール(スパムメール)は無視すること
インターネットを利用していると、意味のない内容やダイレクトメールが突然、送られてくることがあります(スパムメールといいます)。これらは世界のインターネットユーザに対して無差別に送りつけているメールです。自分の情報がどこかにもれて送信されたわけではありません。無視しましょう。