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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

2022年6月16日にMicrosoft社によるInternet Explorerのサポートが終了しました。
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「自由の学府」で実り多き大学生活を!

立教大学 学生部長 中澤 渉(社会学部教授)

立教大学への入学、おめでとうございます。皆さんは、これから始まる大学生活に、どんな期待を抱いているでしょうか。

さて、昨今、民主主義に対する脅威と思われる現象が世界中で多々報じられています。経済的な不平等も拡大し、多くの人が将来への不安を抱えています。そしてSNSなどを用いて、価値観の異なる相手に対して攻撃的な態度をとるなど、社会的な分断と見なせる状況を目にすることも珍しくありません。

一方、立教大学は「自由の学府」といわれ、リベラルアーツ教育を大切にしてきました。このような時代ゆえに、リベラルアーツ教育の重要性は高まっています。
リベラルアーツのリベラルは、自分で考え行動できる自律性をもつことを意味します。したがって、本学はリベラルな態度をとれる人物の育成を目指しているわけです。自律しているとは他者から支配されないことと同義ですが、それは他者の立場に立っても同じことが言えます。ですから、私たちは他者を一人の人間として尊重しなければなりません。

この世の中には、様々な個性や価値観を持つ人が、それぞれ自律性を備えて生活しています。その前提の下で一つの社会を成立させるには、個々人が自分の意見や価値観を押し通すのではなく、一旦は他者との違いを受け止める寛容の精神が必要となります。そうでなければ、私たちの世界は争いが絶えず、安心・安全な生活を営むことができなくなります。
確かに自分と波長の異なる人と接する際には、時には忍耐が必要になることもあるかもしれません。しかし、なぜその人はそう考え、行動するのか、対話をしながら時には立ち止まる、それを繰り返し新しい気付きを得ることで、自らを成長させることができるかもしれません。今起きている分断は、合理性や効率性を追求するあまり立ち止まる余裕がなく、人々が寛容の精神を持てなくなっていることに起因している気がしてなりません。

寛容の精神を育むには、多面的な視点から物事を見る必要があります。リベラルアーツの学びは、自らの専門分野にとどまりません。日本の教育は知識偏重だと批判されますが、私は、知識はないより、ある方がよいと思います。大事なのは、たくさんの知識を蓄えること自体を目的としないことです。むしろ、蓄えた様々な知識をどうすれば有効活用できるのか、それを常に考えることが大切なのではないでしょうか。

受け身の姿勢では、学んだことは活かせません。立教大学には、持っている知識を総動員して自分の考えを述べ、実践するというような、リベラルアーツでの学びを活かす場が、授業はもちろんのこと、多くのイベントや課外活動など、たくさん用意されています。こうした場における様々な個性や価値観を持つ学生や教職員との邂逅で、今までと異なる自分が発見できるかもしれません。このチャンスを活かせるかどうかは、あなた次第です。

立教大学には、諸先輩方の努力や実績により、素晴らしい教育・研究環境が準備されています。われわれ教職員も、皆さんの挑戦しようとする意欲を支えていきたいと考えています。
学生部は、学生生活支援、課外活動、年間行事のサポート、生活指導・相談の4つの柱のもとで、皆さんの生活をお手伝いしています。学生部教職員一同、皆さんの学生部への来訪を歓迎しています。これからの大学生活が、充実したものとなることを願っています。