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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

2022年6月16日にMicrosoft社によるInternet Explorerのサポートが終了しました。
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立教大学 教育活動特別賞受賞者の紹介(全カリニュースレターNo.49より)

全学共通カリキュラム
舞踊論
担当:糟谷 里美 兼任講師

学生からのメッセージで得るもの

 以前、1回の授業であれもこれも教えたい、知ってほしいと多くを盛り込みすぎたため、最終的な結論に至ることなく、中途半端な形で授業を終えたことがあります。学生からは、「何がテーマだったかわからなかった」「映像と説明のつながりが不明瞭」といった厳しいコメントがありました。この時のモヤモヤした気持ちを拭うべく、概論的な科目ではあってもテーマを絞り、一つ一つを丁寧に深く掘り下げるようにしたところ、学生からは前向きに受け止められるようになりました。
 今年度本格化したオンライン授業では、パワーポイント等を用いて、シンプルで簡潔な資料を提示するよう心掛けています。それによって、各回のテーマと結論がより鮮明に伝わることが学生からのメッセージでわかってきました。また、オンライン授業では、受け手側の見え方がわからないため、共有画面に関する学生たちの的確な助言が授業運営にとても役立っています。
 このように、学生からのメッセージを反映させた試行錯誤の繰り返しは、授業改善に確実に繋がっているのです。

教えることは教えられること

 特にリアクションペーパーを熟読して気づくことは、意識的無意識的にかかわらず、学生たちが教員の言動をかなり細かく感じ取っていることです。授業では、内容に関連した説明以外にも、「個人的意見ですが」と前置きして“つぶやく”(私見を述べる)こともあります。そのちょっとした“つぶやき”に反応する学生が多くいることに驚きを隠せません。つまり学生は、授業内容はもちろんのこと、教員自身の考えや言葉とその発し方など、つまるところ教員の生き方にも注目していることがわかります。
 したがって、大学の授業とは、そこに付随するねらいや目標以上に、教員がそれぞれの生き方を示す場でもあると考えられるわけです。現在のような厳しい苦境に立たされる時代においても、自分を見失わずに懸命に前進していく教員の姿、生き方そのものを、学生が授業を通じて感じ取ることで、学生自身が未来をイメージし、試行錯誤しながら成長を遂げていくのではないでしょうか。そして、それこそが大学教育の奥義であると感じています。
 そのことに気づかせてくれたのは、リアクションペーパーの中の学生自身の“リアルな”言葉であり、「教えることは教えられること」であると痛切に感じます。しかも、学生からのメッセージは、それまで学生が受けてきた専門分野や全カリの多様な授業の学びから幾重にも裏付けされた説得力のあるものが多く、その意味でも、授業がリアクションペーパーを通じた学生たちとの対話に支えられていることを感じずにはいられません。

おわりに

 全学共通科目総合系科目の「舞踊論」は、様々な舞踊をその根幹にある背景や人々の思い、生き様を通して深く考察することで、物事を多角的に捉える目を涵養することを目標としています。しかし、“舞踊”という特殊な世界に全く興味関心のなかった学生が受講してくるケースも少なくありません。そのような学生たちが、授業の中だけでも“舞踊”に触れ、何かを発見し、今後に活かしていこうと意欲をみせるようになる、その瞬間を目の当たりにできることは、本当に教師冥利に尽きると言えます。今後も多くの舞踊作品やその制作過程の中の人々の生き方や思いを通じて、学生に多様な生き方や自分らしさを発見し探求してもらいたいと思います。そのために、引き続き授業へのご支援とご指導を賜りながら、より良い授業の構築に努めてまいりたいと思います。

全カリニュースレターNo.49はこちら

授業概要(2019年度シラバスより)

授業の目標

本授業は、社会における多種多様な舞踊を取り上げ、現象としての舞踊を理論的科学的に捉えることにより、様々な視点から身体文化の一つである舞踊の意味を探求する力を涵養する。

授業の内容

本授業は、地域に根差した文化や舞踊家たちの芸術活動の背景に触れながら、そこに出現する様々な舞踊に着目し、関連する研究を通じて、舞踊への理解を深めていく。取り上げる舞踊は、「生活文化の中の舞踊」「芸術としての舞踊」「教育の中の舞踊」「身体科学の中の舞踊」等である。授業内では、映像を適宜用いながら、舞踊について考察していく。