「令和 6 年(2024 年)能登半島地震」被災地域でのボランティア活動を考えている学生の皆さんへ
2024 年 1 月 5 日
立教大学ボランティアセンター
「令和 6 年(2024 年)能登半島地震」及び関連する事故等で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
「令和 6 年(2024 年)能登半島地震」では、最大震度7の地震に加え、津波や余震、二次災害等によって様々な被害が発生しております。新潟県、富山県、石川県及び福井県は 35 市 11 町1村に災害救助法が適用されました。現在においても、その被害が各地域で続いているような状況です。
各自治体では、現地の被害や支援ニーズの調査が進められており、災害ボランティアセンターが開設されたところも増えてきました。被災された方々、そして地域が早期の支援を必要としているのが現状です。
一方で、支援=ボランティア活動、ではありません。土砂崩れ等により通行止めになっている道路や再開の見通しが立たない交通機関があるなど、現地への物資配送をはじめ、被災された方の移動等に支障が生じています。そのような中で優先されるのは、専門的な組織における人命救助や物資供給等の支援
です。すでに開設されている多くの災害ボランティアセンターにおいても、受け入れが限られている状況にあり、支援ニーズに対する活動量を調整したり、現地の被害を拡大させないようにしたりするために、移動や居住・生活等の負担のない近隣地域の住民を対象としています。ボランティアによる支援はこれから必要になると考えられますので、その時期を慎重に確認しましょう。
立教生の皆さんの中にも「現地でボランティア活動をしたい」「被災された方や被災地域の力になりた
い」と考えている人がいるかもしれません。しかし、まずは正確な情報を得て、被災された方々のことを第一に考えて動くことが大切です。想いがあったとしても、その活動・行動が被災された方々にとって望まないものになってしまったり、むしろ被害を悪化させてしまったりする可能性もあります。
現在はまだ広域(遠くの地域)からのボランティアを受け入れ体制が整っていませんが、これから皆さんが災害ボランティアへの参加を検討・準備するうえで、役に立つ情報をまとめましたので、以下の情報
を参考にし、ご自身の活動に生かしてみてください。
0.立教大学ボランティアセンターで相談する
当センターには、被災地域での活動経験が豊富なボランティアコーディネーターがおります。情報収集の方法に限らず、ボランティア活動をすべきか迷っている方、不安を抱えている方は、まずボランティア
コーディネーターにご相談ください。地域により被害状況は異なりますので、まずはご自分でお調べいただくことをオススメしますが、災害ボランティアに関する質問・疑問等がございましたら、可能な範囲
でお応えいたします。
ただし、あくまでもボランティア相談であり、相談された方々の活動参加やその安全・責任を保証するものではありませんので、ご了承ください。
被災地域に行く前に必ず下記の注意点をお読みいただき、各Web サイトを参考に、現地の最新情報や災害ボランティアの募集情報をご確認ください。
(1) 被害状況
■内閣府防災情報ページ
特定災害対策本部会議 資料
■総務省消防庁
災害情報一覧
※その他、各都道府県・自治体のホームページをご覧ください。
(2) 災害ボランティア募集情報■全国社会福祉協議会
全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
2024 年 能登半島地震 特設ページ■東京ボランティア・市民活動センター(東京都社会福祉協議会)
ボラ市民WEB災害情報
令和 6 年能登半島地震について
※その他、NPO・NGO 団体等が個別に募集している場合がございます。
*情報収集のポイント*
① 自治体によりボランティアの募集範囲が異なります
被害状況やニーズを調査のうえ、その規模に合わせてボランティアを募集しています。自分が募集の対象であるのかを把握しましょう。(例:市内在住 等)
※対象範囲は現地の被害・負担を拡大しないために設定されていますので、 必ず守りましょう。
② 事前受付・登録が必要な場合があります
事前受付の段階でボランティア活動希望者が定員に達し、当日の活動受付を行わない場合もあります。活動先に向かう前に、その自治体の募集形式を確認しましょう。
③ 現地での活動に参加できない場合があります
余震や二次災害等で活動環境の安全が確保できない場合や住民の方々のニーズに比べボラン
ティア希望者が多い場合等は、活動日程の変更、または、活動自体をお断りされる場合があります。
あくまでの現地の状況が最優先ですので、無理に活動機会を求めることは控えましょう。
④ 自分のできる範囲を見極めましょう
河川の氾濫や土砂崩れ等の被害により、道路や交通機関に影響が出ている場所があります。また、コンビニエンスストア等を含めた商業施設の営業が困難な地域もあり、言うまでもなく衣食住の確保は現地の方々が最優先です。交通手段のみならず、自らの衣食住を被災地域に負担
なく用意できるかどうかを見極めましょう。
2.活動に備える
ボランティアは、「自己完結型」で活動することが基本です。交通手段や食事、装備、宿泊場所など、
事前に自分たちで確保・準備し、自分の身を自分で守ることが必要です。時間に余裕をもって計画を立てて、準備をしてください。
(1) 「ボランティア(活動)保険」に加入する
災害ボランティアセンターでは、基本的に「ボランティア(活動)保険」への加入を必須としていま
す。現地へ行く前に、ご自身がお住まい地域もしくは近隣地域の社会福祉協議会にて「ボランティ
ア(活動)保険」に加入してください。
現地での受付の際には、「ボランティア(活動)保険」の加入についての証明が必要な場合がありますので、加入者証や領収書等をご持参ください。
※自治体によっては、天災プランへの加入が必須となるところもあります。
■都内の社会福祉協議会で加入する場合(東京都社会福祉協議会取り扱い)
「ボランティア保険(有限会社東京福祉企画)」
・保険内容
・保険料:基本コース 350 円~700 円/天災コース 600 円~1400 円
■東京都以外の社会福祉協議会で加入する場合で申し込みする場合(全国社会福祉協議会取り扱い)
「ボランティア活動保険(株式会社福祉保険サービス)」
・保険内容
・保険料:基本プラン 350 円/天災プラン 500 円/特定感染症プラン 550 円
(2) 災害ボランティアについて知る
活動内容や持ち物・服装等、災害ボランティアの特徴等を事前に把握し、安心して活動を行えるよう
にしましょう。
■認定特定非営利活動法人 レスキューストックヤード
災害ボラの予備知識
■東京ボランティア・市民活動センター
災害ボランティア活動に役立つページ
※被災された方の声に耳を傾けましょう~泥を見ないで人を見る~
甚大な被害により、街並みが大きく変わっている地域もあります。家屋やその景色の一つひとつに被災された方の思いがあり、記憶があり、生活があります。活動先で、物品を処分する際は思い出の品などが含まれていることも想定し、廃棄してよいかどうかを確認するなど、被災された方々のことを第一に考えて行動しましょう。
【被災地域に行かなくてもできること】
被災地域へ行くことだけが、被災地支援ではありません。自分にできる範囲で取り組むことが大切です。寄付といっても、寄付の方法や種類、そのお金の使用用途は様々ですので、自分の想いに合った寄付
先を選びましょう。
※下記は一例です。ご自身で探してみてください。
(1) 寄付をする
① 「義援金」
被災自治体に配分委員会が設置され、被災者に“直接”配布されるお金になります。
・被災地の都道府県、市町村
・日本赤十字社
・中央共同募金会 など
② 「支援金」
被災地で活動を行うボランティア団体やNPO 等に渡されるお金(支える人を支える募金)になります。
・中央共同募金会
「ボランティア・NPO 活動サポート募金(ボラサポ・令和 6 年能登半島地震)」
・Yahoo!JAPAN ネット募金
「令和 6 年能登半島地震 緊急支援募金」 など
(2) 想いを寄せて過ごす
誰もが被災地に行けば良い訳ではありません。誰もが被災地支援に関わらなければならないわけでも
ありません。被災地に想いを寄せながら、自分の日常を過ごすことも重要です。
また、立教生としてチャペルで祈ることも大切な奉仕です。
新たな被災地を生まないためにも、自分が住む地域での防災・減災活動に取り組みましょう。
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最後に
現地の状況は、日を追うごとに変化していきますので、その都度最新の情報を把握してください。少しでも不安のある方は、ぜひボランティアセンターをご活用ください。
当たり前のことですが、最も大切なことは、被災された方々のことを第一に考えて動くことです。そして現地にこれ以上の負担をかけないように、ボランティアが無理せず安全に活動することも重要です。
被災された方々の気持ちを思い、まわりを見つめ、よく考えて行動することを願っています。