応急処置:こんなときどうする?
やけど
やけどの程度は広さ・深さ・部位によって決まります。
熱傷は、傷害が深ければ深いほどまた範囲が広ければ広いほど重症になり、適切な処置がとられないと命に関わることもあります。「皮膚の状態」と「患部の広さ」手当てのポイントです。
重症度・深さ | 外見・症状 | 処置方法 |
第1度 | 表皮熱傷 | 皮膚が赤くなりひりひりする。 一時的に色素沈着することもあるがすぐに軽快。 | 冷たい水で、5分~痛みがなくなるまでを目安に冷やす。 |
第2度 | 真皮 (浅い) | 痛みが強く赤くなり水疱やびらんができる。 その後色素沈着することあり。 | 十分に冷やした後、病院受診をする。 水ぶくれはつぶさないようにする。 |
真皮 (深い) | 潰瘍ができ、上皮化に時間がかかり癒痕ができることも。 |
第3度 | 皮膚全層熱傷 | 皮膚が白くなりひどい時には焦げている。神経も焼け、痛みをほとんど感じない。 | すぐに救急車を呼ぶ。 救急車が来るまで冷やすが低体温に気をつける。 |
手当て時の注意
* 患部が狭い場合は冷却(流水・氷などは直接患部に当てない)。広範囲のやけどは被覆する。
* 衣服を着てやけどしたときは無理して脱がさずに、衣服を着たまま冷やす。
* 掌の大きさが、おおよそ体表面積の1%として判断し、1%以上の場合は病院を受診する。
* "広ざ'"深ざ’にかかわらず、顔や気道の熱傷、化学薬品による熱傷などは病院を受診する。
キズ(すり傷・切り傷・鼻血など)
傷の手当で大切なことは①出血を止める、②細菌の進入を防ぐことです。小さなキズでも手当てが悪いと細菌感染による敗血症や破傷風などで生命に危険を及ぼすことがありますので軽視せず、適切な処置を行うことが大切です。
① 出血を止める
出血しているところを出血が止まるまでしつかり直接押さえる(直接圧迫止血法)。
手足は心臓より高い位置に上げると血が止まりやすくなる。
*なかなか出血が止まらない場合は病院へ行きましょう。
*鼻血がなかなか止まらない・頻回などの場合は病気も考慮し耳鼻科へ行きましょう。
② 細菌の進人を防ぐ
洗浄:水道の流水で傷口をよく洗い、泥などの汚れを落とす。
保護:清潔なガーゼ、 絆創膏などで保護する。
打撲・捻挫
打撲とは、転倒して打ったり物に強くぶつけたりして、皮下組織や皮膚などの軟部組織が損傷すること。捻挫とは、関節に無理な力がかかったりして関節の周囲の靭帯や軟骨が損傷することです。いずれも早めの処置が大切になります。
打撲や捻挫後できるだけ早期にRICE法で処置をしよう。
* 皮膚に傷があるときは傷口を水道水などでよく洗った後、RICE法を試みましょう。
* スポーツでの筋肉の打撲はまず早期の圧迫が大切です。圧迫により、損傷した血管からの出血を止めることができます。打撲したところを包帯などで強く圧迫してください。
神経や筋肉の損傷を起こさないよう30 ~ 40分までとし、一度強い圧迫をゆるめましょう!その後アイシングとともにゆるめの圧迫固定を行ってください。
* 腫れや痛みがひかない、または次第にひどくなる時は、早めに医療機関を受診しましょう。
肉離れ
肉離れとは、筋肉の部分的な断裂や過度に伸展した状態のことです。
肉離れ後は、捻挫や打撲と同様にRICE法で処置をしましょう。特に肉離れをおこした部位を包帯やサポーターで圧迫して安静にすることが大切です。そして無理に歩かず、担架や車椅子の使用、他者に手伝ってもらうなどして医療機関を受診しましょう。
突き指
突き指とは、指を突いたときに発生する指関節周辺の損傷の総称です。捻挫から骨折まで含まれます。突き指後は、できるだけ突き指した部位を冷やし医療機関を受診しましょう。「突き指した指を引っ張る」という行為はあやまりです。症状が悪化してしまうので、指を引っ張ることは絶対にやめましょう。