2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について
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秋季人権週間プログラム講演会『LGBT学生の就活-誰にとっても働きやすい職場をめざしてー』をYouTube Liveにて開催しました。講師に株式会社JobRainbow CEOの星賢人氏をお招きし、LGBT学生が卒業後に自分らしく働いていくためにはどうしたらよいか、周囲の人々や企業の側は当事者とどう向き合い、働きやすい職場をめざしていくべきかについてお話しいただきました。
コロナ禍に翻弄された2020年、人権・ハラスメント対策センター主催の秋季公開講演会は、講師に株式会社JobRainbow CEOの星賢人さんをお迎えして、オンラインで開催されました。この困難な時代に講師をお引き受けくださった星さんに厚く御礼を申し上げます。YouTube Liveで行われた講演会には130名以上が参加し、講演中も参加者からチャットでの積極的なリアクションがあるなど、対面の講演会とはまた違った、活気あるものになりました。
株式会社JobRainbowは、すべてのLGBTの人が自分らしく働ける社会の創造を目指して、星さんが起業された会社です。星さんは、LGBTの人はおよそ11人に1人いるにもかかわらず、好奇の目にさらされやすい存在であるがゆえに沈黙を守り、様々な困難を抱えながらも見えにくい存在となっていることを、大変なリアリティをもって話してくださいました。特に人の性の在り方の多様性の観点に強い説得力を感じました。これは、身体的な性別や自分の性認識、性表現、および好きになる性別の指向といった性の在り方を構成する要素は、必ずしも常に男女どちらかの極に振り切れるものではなく、グラデーションをもって存在するというお話です。LGBTたらずとも、性表現、例えば服装や行動等について社会的にどのような性であろうとするかは、誰もが何かしらのグラデーションを感じる要素ではないでしょうか。自分の行動に関して、「男なら泣くな」「女らしくふるまえ」などと言われ、反発を覚えたことのある人も少なくないでしょう。星さんのご説明はそのようなカテゴリカルな男女二分論ではなく、性の在り方は一人一人違うこと、そしてその延長上にLGBTの人たちがいることに気付かされるものでした。
奇しくもこの講演会当日、5年前に都内某大学で起こった悲しいアウティング事件に関する東京高裁判決がありました。事件以降、社会の理解は多少なりと前進したものの、LGBT当事者の抱える不快を超える困難は、就活の場面のみならず、学生生活や職場環境全般において、今も数多くあるようです。LGBTフレンドリーたり得ることは、LGBTの人だけでなく、全ての人が真の意味で個人として尊重されることであり、そのためには意識的な不断の努力を要します。星さんからのアドバイスは具体的かつ実践的で、そのような多様性を包含する社会をともに作るためのポジティブなメッセージで締めくくられました。今回の講演会が、新たなステップへと繋がることを切に願います。
(法学部 髙橋 美加 教授)
星 賢人 氏
講演会の様子