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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

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​​​​​​​ 秋季人権週間プログラム講演会『私たちにできること。―「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」を契機にして』を対面・Zoomウェビナーにて開催しました。
 講師に、日本ILO協議会監事の田口 晶子(たぐち・あきこ)氏をお招きし、仕事の世界における暴力とハラスメントを無くすために、私たちにできることは何か、グローバルな視点からお話しいただきました。

日時2024年11月27日(水) 18:00~19:30
会場対面 池袋キャンパス11号館 2階A203教室
オンライン Zoomウェビナーにて配信
講師田口 晶子(たぐち・あきこ)氏 (日本ILO協議会監事)

講師プロフィール
田口 晶子(たぐち・あきこ)
1980年労働省(現厚生労働省)入省、1983年~85年 西ドイツ(当時)ケルン大学でドイツ労働法を研究、労働行政及び関係機関での役職、政策研究大学院大学教授、国際労働機関(ILO) 駐日事務所次長等を歴任し、2015年3月厚生労働省退職。
2015年4月から、2016年1月まで立命館大学公務研究科教授。2016年2月から2020年5月末までILO駐日代表。2020年7月より日本ILO協議会監事(現職)。
2009年より中央大学兼任講師(国際労働問題、現職)。
代表的な著作(論文)として「未批准条約の効果―日本労働法に与えた影響」(季刊労働法2019年冬号(267号))「(共同執筆)仕事の世界における暴力とハラスメントに関する国際労働機関(ILO)での議論)」(同2019年春号(264号))など。
参加者本学学生、教職員、一般
合計97名
講演内容

 今回の人権・ハラスメント対策センター主催の秋季人権週間プログラム講演会は、日本ILO協議会監事で前ILO駐日代表の田口晶子氏をお迎えして、『私たちにできること。-「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」を契機にして』、をテーマとして暴力・ハラスメントについて考える内容となりました。

 講演前半では、2019年にジュネーブにおいて「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」が採択され世界的にこの課題が重要であることが証明されたこと、批准の有無に関わらず当該条約が各国の法整備等に大きな影響を与えたことが提示されました。続いて条約の内容として、暴力やハラスメントは個人的な問題ではなく、人権侵害の可能性が明確に述べられていることが紹介されました。この人権侵害という重い表現が用いられているという認識を共有する意義は非常に大きいのでないでしょうか。さらに、「暴力及びハラスメント」の定義としてそれをもたらす恐れのある脅威も行動ではないものの定義に含まれること、そして、対象や発生場所が具体的に明示されていることが指摘されました。この条約は日本では未批准で、その理由にこのような定義や適用範囲が広いという問題、そして国内法との整合性の問題があるといいます。田口氏はその背景には批准の容易さと実効性の兼ね合いがあると述べており、条約では実効性担保が重視されているという認識は非常に重要なのではないでしょうか。

 講演の後半では、「わたしたちに何ができるのか」という問題提起がなされました。そのひとつとして田口氏は情報・知識を得ること、そしてそれらを同僚や家族とシェアすることの重要性を説きます。暴力やハラスメントをなくすためには、正しい認識を持ちそれを共有することがその第一歩ということです。さらに加害者にならないために「自分の価値観を疑うこと」が重要ではないかと問いかけます。同じ物事でも他者からは自分と同じようには映っていない可能性の認識が常に必要ということです。最後に、ダイバーシティ&インクルージョンが条約やILOでどれだけ明示化されているのかという質問に対する「特別視されているわけではなく日常の活動として取り上げられている」という回答が、「当たり前になっている」という点において非常に印象的でした。

 暴力やハラスメントがない社会を当たり前にするために職場や個人で今日からできることは何か、是非一度考えてみてはいかがでしょうか。

(ビジネスデザイン研究科 安田 直樹 准教授)

参加者の声
  • 各国の労働におけるハラスメントに対する法律を提示していただき大変勉強になりました。
  • ご講演内容が勉強になったのはもちろん、ウェビナー参加であったので、分からないことは即時に検索し、知識を深めることができました。ありがとうございました。
  • ハラスメント問題に関する先進的な国の法制に触れることができてよかった。また、ハラスメントの問題を被害者・加害者・傍観者それぞれの立場から自分事として捉え、具体的にできること(情報共有含め)を実践していく必要があると思った。
  • 日本や外国の労働条件や労働に関する法について知ることができてよかった。私たちにできることを今後に活かしていきたいと思う。
  • 日本がILOの条約に批准できない理由が今日初めて理解できました。先進国の多くが公務員法をなくして労働法に組み入れ、労使交渉ができるようになっているけれど、日本は公務員法のままであること、非正規公務員、特に会計年度運用職員の雇用問題が解決されないこととも関係しているのかなと思いました。日本がILOから、いくつか繰り返し勧告を出されている件についてのご意見もお聞きしたかったです。
  • 労働者と国際機関としてのILOとしての役割、そして昨今課題となっている職場における各種ハラスメント行為に国際機関としてのあり方を学べたのはとても良い機会になりました。