2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について
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秋季人権週間プログラム講演会『私たちにできること。―「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」を契機にして』を対面・Zoomウェビナーにて開催しました。 講師に、日本ILO協議会監事の田口 晶子(たぐち・あきこ)氏をお招きし、仕事の世界における暴力とハラスメントを無くすために、私たちにできることは何か、グローバルな視点からお話しいただきました。
今回の人権・ハラスメント対策センター主催の秋季人権週間プログラム講演会は、日本ILO協議会監事で前ILO駐日代表の田口晶子氏をお迎えして、『私たちにできること。-「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約」を契機にして』、をテーマとして暴力・ハラスメントについて考える内容となりました。
講演前半では、2019年にジュネーブにおいて「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」が採択され世界的にこの課題が重要であることが証明されたこと、批准の有無に関わらず当該条約が各国の法整備等に大きな影響を与えたことが提示されました。続いて条約の内容として、暴力やハラスメントは個人的な問題ではなく、人権侵害の可能性が明確に述べられていることが紹介されました。この人権侵害という重い表現が用いられているという認識を共有する意義は非常に大きいのでないでしょうか。さらに、「暴力及びハラスメント」の定義としてそれをもたらす恐れのある脅威も行動ではないものの定義に含まれること、そして、対象や発生場所が具体的に明示されていることが指摘されました。この条約は日本では未批准で、その理由にこのような定義や適用範囲が広いという問題、そして国内法との整合性の問題があるといいます。田口氏はその背景には批准の容易さと実効性の兼ね合いがあると述べており、条約では実効性担保が重視されているという認識は非常に重要なのではないでしょうか。
講演の後半では、「わたしたちに何ができるのか」という問題提起がなされました。そのひとつとして田口氏は情報・知識を得ること、そしてそれらを同僚や家族とシェアすることの重要性を説きます。暴力やハラスメントをなくすためには、正しい認識を持ちそれを共有することがその第一歩ということです。さらに加害者にならないために「自分の価値観を疑うこと」が重要ではないかと問いかけます。同じ物事でも他者からは自分と同じようには映っていない可能性の認識が常に必要ということです。最後に、ダイバーシティ&インクルージョンが条約やILOでどれだけ明示化されているのかという質問に対する「特別視されているわけではなく日常の活動として取り上げられている」という回答が、「当たり前になっている」という点において非常に印象的でした。
暴力やハラスメントがない社会を当たり前にするために職場や個人で今日からできることは何か、是非一度考えてみてはいかがでしょうか。
(ビジネスデザイン研究科 安田 直樹 准教授)