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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

2022年6月16日にMicrosoft社によるInternet Explorerのサポートが終了しました。
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自分を愛するように

ボランティアセンター・センター長 中川英樹チャプレン

来年2023年に、立教大学ボランティアセンターは設立20年を迎えます。つまり、ボランティアセンターと皆さんとは同世代ということになります。わたしたちはそれぞれに違う場所で、東日本大震災はじめ世界中で起こった未曾有の災禍、人びとの困難を見つめつつ歩いて来て、今、この立教という学び舎で、「誰かのために」という想いを抱くことで出会うことになりました。不思議な巡り合わせを思います。

さて、立教大学ボランティアセンターには、「ミッション・ステートメント」というものがあります。そこには、こう記されています、「立教大学ボランティアセンターは『共に生きる』を礎に、学生が他者との関わりや社会的な課題に取り組むことを通して、人間としての成長とよりよき社会の実現を目指す意志の育成を図ります。」

「共に生きる」、「共生(symbiosis)」の語源は、ギリシア語のσυμβίωσις。それは”συν”(共に)と”βίος”(生命)の合成語だと云われます。つまり、「共に生きる」とは「いのちを共にする」ということになります。もう少し想いを広げるならば、「互いのいのちを生き合う」と換言できるかもしれません。実は、この「互いのいのちを生き合う」ということが、立教のボランティアセンターが設立以来こだわり続けてきたことです。支援を受ける側、支援を提供する側という単なる主客関係ではなく、相互的な「いのち」のつながりを創出すること、それが、立教のボランティアセンターの特徴であり、使命(ミッション)としてきたことです。

共生社会の基本は、相互的な「ケア(愛)」にあります。そして、立教が「共生」について言及するとき、そこではつねに、「隣人を自分のように愛しなさい(マタイによる福音書第22章39節)」とのイエスの言葉が意識されています。ここで、イエスは、隣人を愛すること(愛隣)と、自分を愛すること(愛己)を同価値として語っています。社会的な課題への取り組み(愛隣)と、よりよき社会の実現を目指す意志(愛己)の育成を図る、とした、立教のボランティアセンターのミッション・ステートメントからも、このセンターが如何にイエスの言葉の意図を実現しようとしてきたか、その姿勢を確認することができます。

自らができることは小さく限られています。けれど、その小ささを差し出すことで、現前の他者、が笑顔になることがあります。「あなたが居てくれて良かった」との言葉が返ってくることがあります。すると今度は、その言葉たち、笑顔に自らが励まされ、勇気をもらって、自信を持つことができたり、そうやって自らの存在(いのち)が肯定されていく体験へとつながっていきます。「互いのいのちを生き合う」とは、具体的には、そのような「わたし」と「あなた」との間での、存在(いのち)の交流、創造的な相互連関が生まれ出ることを云うのだとわたしは信じています。

立教のボランティアセンターは、徹底して、自分を愛するように隣人を愛することにこだわり続けます。そのような自他のいのちの創造的な学びの場に、あなた自らを委ねてみませんか?