瀬戸真愛
フランスへの留学を考えている私にとって、日常の様々な場面で使用される会話をテーマとしたこの授業は、文法練習を重点に置く授業とは異なる魅力を感じ、履修を決めました。
履修を決定した当初は、留学に必要な語学レベルとは程遠い現状に落ち込みましたが、日常会話文をゆっくりと発音することで、フランス語特有のリエゾンに対しても苦手意識が少なくなりました。
また、先生の前で会話文の暗唱をする時などは、先生が非常に明るく褒めてくださり、人に伝わる喜びを毎回感じられたことが、確実に学ぶモチベーションとなりました。
授業で扱う教材では、読む、聞く、話す、書くの四技能が無意識に鍛えられ、日常会話をテーマとしているからこそ感情を込めることで、自分が似た場面を経験する際にはその会話を頭で再現することができます。また、一気にその場面に関連する単語に触れられることは、1対1で単語や熟語を覚えるよりもはるかに効率的であると感じました。
受講者数は約10人と少人数であるため、必ず全員とペアを組む機会があり、クラス全体の雰囲気も非常に良かったです。さらに、先生のお人柄が太陽のようで、質問や相談をためらいなくすることができました。
この授業には書道体験も含まれており、実際にフランス人を迎えて書道についてグループプレゼンをし、書道を教えるという経験ができました。つたないフランス語の発音でも伝わるためにどのような工夫が必要なのかを考え、伝えたい、わかってもらいたいという気持ちが受講者全員からあふれているように思いました。
書道をする際は、誰もが文法やリエゾンを間違える不安よりも、どうにか伝えたい、体験に来てくれた人について知りたいという気持ちが溢れ、身振り手振りを交えながら会話が途切れることはありませんでした。
日本文化について改めて学び、フランス人に伝えることは、留学時にもきっと役立つでしょう。勉強していることを忘れ、話せるようになる、伝わるというその喜びが、間違える不安を超えるものであったことが、私にとってこの授業を受けた最大の効果でした。