リボン コマンドをスキップする
メイン コンテンツにスキップ

2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

2022年6月16日にMicrosoft社によるInternet Explorerのサポートが終了しました。
それに伴い、SPIRITにおけるInternet Explorerのサポートも終了します。
これまでInternet Explorerを用いてSPIRITを閲覧されていた方は、Google Chrome、Microsoft Edge、Firefox等他のブラウザをご利用ください。

授業探訪(全カリニュースレターNo.46より)

全学共通カリキュラム
建築と文化
担当:服部 佐智子 兼任講師

授業の概要や特色

 全学共通科目「多彩な学び」に位置付けられている「建築と文化」は、古代から近代における各時代の建築や都市の特徴とその変容過程を通して、日本の社会・文化および異文化との交流について考える力を涵養することを目標としている。その内容は、前半では住宅を中心に日本人の生活と暮らしについて学び、後半では都市施設へと視野を広げ、日本の建築や都市の特徴やその変遷と、そこで生きていた人々の生活・文化を学ぶものである。

工夫していること

 今回は「学生の能動的・発展的な学習の促進」に焦点を当て、私自身が実践していることを紹介させていただく。例年1 3 0〜1 5 0人前後の受講者で講義形式ということもあり、学生による授業評価アンケートでも評価が低くなりがちな学生の能動的・発展的な学習を促すべく、昨年度からレポート提出を課すこととした。具体的には、学生の興味や事情に合わせて選択できるよう、各回の授業内容に即した関連論文の要約+論評レポートもしくは野外博物館・建築関連展覧会等の見学課題レポートについて、2 回以上の提出を課した。
 その結果、アンケート設問項目の「授業時以外に学習した時間」が長くなり、「自分で調べ、考える姿勢」の評価も上がり、アンケートのコメントには、「中間レポートで課外調査があった点 発展的な学習ができました。」「専門的な知識まで得ることができたので、この授業を受けて良かったと思います。」「建築を勉強するうえで参考になる興味深い展覧会や施設を紹介してくださったことで、発展的に学ぶ意欲が高まりました。」という評価を得て、発展的な学習のきっかけとなり得たと感じた。
 また、全学年が受講しているため、学生の知識や興味の差が生まれやすいことを考慮し、各回の授業内容を詰め込み過ぎるのではなく、より学生の理解度を高める工夫を行った。各授業前後ブラックボードに関連論文や授業で取り上げる資料のうちインターネット上で閲覧できるデジタル化された資料等のURLをアップロードし、学生の能力・興味に合わせて、論文や資料を気軽に手に取れるよう整備することにより、学生の自主的に学ぶ姿勢がより積極的になったと考えられる。実際、毎回授業後に提出してもらっているリアクションペーパーを読んでいると、中間レポートとは関係なく、学生たちが興味のある授業内容や気になった事柄について関連論文を読んで、 より発展的な学習に繋げてくれていることが読み取れる内容がみられた。


 以上、自分なりに授業にて実践している点をまとめたものの、「自分で調べ、考える姿勢」の評価は依然として高評価とは言い難い。アンケートに「身近であるが見えていなかった、気付いていなかったような建築のことを知ることができて良かったです。」と書いてくれた学生がいたが、このような学生が増えるよう、建築専門外の学生たちが建築を身近なものとして認識し、建築を通して日本文化を考える力を養成できる授業の工夫を重ねていきたい。また、日本建築や都市の歴史を通して日本の文化を学ぶ講義であるため、歴史に重点を置いた講義内容となっているが、建築や都市の現代的トピックスも取り扱うことで、学生が学問的興味を持ちやすい話題の提供や身近な問題として捉えられるよう、内容の改善に努めていきたいと考えている。
 今回、「授業探訪」の依頼を受け、躊躇いがあったもののお引き受けしたのは、経験の浅い若輩者の私だからこそ授業内容を紹介させていただくことで、より良い授業へ改善するきっかけにできればと思ったためである。

全カリニュースレターNo.46はこちら

授業概要(2019年度シラバスより)

授業の目標

古代から近代における各時代の建築や都市の特徴とその変容過程を通して、日本の社会・文化および異文化との交流について理解できるようになることを目的とする。

授業の内容

日本では、中国大陸・朝鮮半島・西洋から、その文化、宗教、政治制度、思想を取り込み、日本の気候風土や既存の文化・宗教と融合させ、様々な建築や都市を築いてきた。同時に、建築や都市は人々の生活の場であり、新たな文化が生まれ、育まれる場所でもある。本講義では、前半では住宅を中心に日本人の生活と暮らしについて学び、後半では都市施設へと視野を広げ、日本の建築や都市の特徴やその変遷と、そこで生きていた人々の生活・文化を学ぶ。