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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

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授業探訪(全カリニュースレターNo.47より)

全学共通カリキュラム
Japanese Studies through English
担当:印田 佐知子 教育講師

授業の概要や特色

 1年次の英語必修科目を修了した学生が、継続して英語を学習するために設けられている英語自由科目群の中から、今回担当した「Japanese Studies through English」について紹介させていただく。本科目の目標は、学生が「日本について英語で話すことができる」ようになることであり、その為にどのような方法と内容で授業を展開するかは担当教員に任されている。筆者がどのような授業を行ったのか、多少なりとも参考となれば幸いである。

授業の内容

 言語教育と文化の関係についての研究で知られるクレア・クラムシュ氏は、文化は無意識に習得されるものであるがゆえに「他者の目を通してこそ自らの文化を知ることができる」と述べた。筆者も、日本人以外の視点を借りて学生たちに日本の社会と文化の特性に気づいてほしいと考え、それを柱に授業を組み立てた。主教材として選んだのは、日本に長年滞在したイギリス人ジャーナリストが、日本社会への戸惑いや賞賛を記した日英文化比較論ともいうべきテキストで、読解やディスカッションに用いた。加えて、アメリカ人ライターによる日米文化比較を題材とした短編エッセイ集を、速読やサマリーを述べる練習等に用いた。さらに、ジャパン・タイムズ紙の連載記事も活用した。これは、外国人が日本で目にした驚きのモノや出来事が何なのかを記者に尋ねるという連載で、授業では、例えば「タクシー運転手や警備員が白い手袋をしているのはなぜか」といった外国人による質問をグループに割り当て、それに対する回答と意見を発表してもらった。どの教材も日本文化の長短に気づく良いきっかけを学生たちに与えてくれ、さらに学びを深めるために、日本独自の歴史、宗教観、価値観、美意識などについて解説や動画を加えたり、グループで話し合わせたりした。学期末には、学生各々が抱いた日本の「なぜ」について調べ、そこから得られた学びとともに、今後日本文化をどう継承していくべきか等、自分の考えを発表・執筆してもらった。

授業の特徴と工夫

 言語自由科目の中でも特筆すべき本科目の特徴は、受講生の多彩な顔ぶれだろう。7つの異なる専攻の2〜4年次生の日本人学生に、中国、インドネシア、フランス、スペイン、ノルウェーからの留学生が加わり、教室がさながら小さな国際社会であった。この多様性ゆえに苦労した点もあれば得られた成果もあった。教材の英語が留学生たちには簡単すぎる一方で、留学生の話すスピードや内容についていけない日本人学生も多く、「難しすぎるので受講を辞めたい」と相談に来た学生もいた。また、積極的に質問し意見を述べる留学生たちに比べ、日本人学生は受動的な姿勢 で授業に臨むため、「なぜ日本人は黙ってばかりいるのか」と尋ねに来た留学生がいた。そこで、ディスカッションのメンバーを毎回変えて学生間の壁を取り払う機会を増やしたり、日本人学生が主導的に話さざるを得ない状況(英語には訳しにくい日本語の言葉や表現を留学生に説明する等)を作るよう心がけたりした。学期の半ば頃、辞めたいと言っていた学生は「こんなクラスは他にないので、今は良い機会だと前向きに捉えている」と話してくれた。静かすぎる日本人学生たちを不可解に思っていた留学生は、学期末、「日本人の沈黙」について発表し、その独特なコミュニケーション・スタイルについてクラス全体で話し合う機会を提供してくれた。こうした「他者の目を通して自らの文化を知る」機会が、実際にクラスの中で度々実現した。学期末のアンケートでは、授業を通じて自文化と異文化に気づき、英語で話す自信がついたのは、多文化混合のメンバーに依るところが大きいと多くの学生が記した。多様な学生をまとめ、効果的に学習を進めていく難しさは否めないが、学生たちが互いの違いを受け入れ、グローバル社会の一員としての資質を養う契機となるという点で、クラス内の多様性は大いに歓迎されるべきだということを本授業は認識させてくれた。

全カリニュースレターNo.47はこちら

授業概要(2019年度シラバスより)

授業の目標

Students will be able to talk about Japan in English. 

授業の内容

This course presents an opportunity for students to view Japan from an outsider’s perspective and realize what an interesting subject Japan is. The course will enable students to deepen their understanding of Japanese culture and to improve their English skills through readings, discussions, lectures, and presentations. Topics will include various aspects of Japan such as history, language, traditional and contemporary culture.