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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

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授業探訪(全カリニュースレターNo.47より)

全学共通カリキュラム
日本手話4
担当:細野 昌子 兼任講師

日本手話の特徴

 「日本手話」は1~4のレベル別、学期制、週一回の2年コースの言語自由科目として2010年度に開講された。ろう講師がダイレクトメソッドで指導する。手や指、腕を使う手指動作には手話独自の音韻構造[手の形・位置・動き]があり、顔の部位動作[視線、眉、頬、口、舌、首の傾き/振り、あごの出し/引きなど]が文法を担う。日本手話は双方の動作で構成され、線的構造をもつ音声日本語とは全く異なる立体的な言語構造を有する視覚言語である。

授業の工夫(日本手話4)

 日本手話1の初習学生は異なる伝達形式に慣れる所から学習を始め、ろうコミュニティーで形成されたろう文化を同時に学ぶ。日本手話の講義はどのレベルも「実技」と「コラム」という二本立てで構成され相乗効果を生んでいる。 日本手話4の実技では、文法項目として慣用句、Classifier[対象物の形・動き・特性を再現する表現技術]、一人で何役もこなす視覚的ロールシフトなどを導入し、自由に自己表現ができるレベルを目指し指導を行う。Classifierとロールシフトの習得は手話文法のなかでも難易度が高いが、それらの活用によってネイティブサイナーにとって自然で分かり易い表現ができるようになる。さらに習得は手話の範疇にとどまらず一般的なコミュニケーションの豊かさとして反映する。授業ではペア/グループワークなどアウトプットの時間を多くとり能動的な授業運営を行う。特にグループ発表形式で行う「絵本の手話読み聞かせ」や「ディスカッション」ではチームワーク力を発揮し技術的にも内容的にも驚くばかりの成長を見せる。オンラインシステムによる復習用動画およびグループ発表の録画配信は自主学習を促す効果がある。また学習の選択肢の一つとして手話検定試験の受験を推奨している。日本手話4では2級合格レベルを目安とし、毎回DVD教材の活用や語彙テストも実施している。語彙テスト用の動画配信は動画を見る習慣化に功を奏している。日本手話4のコラムでは「ろう者と芸術」をテーマとしている。ろう者の芸術は、デフアートの定義 “De’VIA(Deaf View/Image Art)”に見られるように「手話やろう者に対する抑圧への反抗」表現から「ろう者としての受容と誇り」を表現するものまで多様である。デフムービー、ろう演劇、デフポエムなど具体例を取り上げながら ろう文化の豊かさを体感してもらい、異文化への理解と多様性を受け入れる視野の広さを育んでいる。専門分野で活躍中のろう者をゲストスピーカーとして招き、コラムのテーマに沿った講演を実施しているが、「百聞は一見に如かず」の効果をもたらしている。

授業の目標

 授業の学びを通し学生が自分と異なる世界に生きる人々の言語や文化を共有し、客観的視野へと発展させ更に学生自身の人生に新しい見方を構築していくことを目指している。また自分の枠を超えたコミュニケーション能力を日本手話の授業で培い、必要な場面で発揮できる力を育むことを目標としている。

日本手話4を受講して
文学部教育学科4年 倉橋 里佳さん

日本手話3までに学んだ手話技術をさらに向上させたいと思い、日本手話4を受講した。授業ではクラスメイト同士で教え合ったり発表をしたりしながら、難しい文法も楽しんで学ぶことができた。最終的には手話での絵本読み聞かせやディスカッションを通して、手話での表現が上達したことや自分の意見を表せるようになったことを実感でき た。また、実際にゲスト・スピーカーとしてろう者のお話を聞く機会もあり、学習前は馴染みがなかったろう文化に興味を持ち、ろう者と手話でもっと豊かにコミュニケーションを取りたいという思いが強まった。授業での学びを生 かして、これからも学習を続けていきたい。

全カリニュースレターNo.47はこちら

授業概要(2019年度シラバスより)

授業の目標

日本手話・上級編の語学講義。主に中級編を終えた学生を対象に,手話で自分の意見を表現する力を身に付けると共にろう者について多角的に考察する。

授業の内容

手話の特徴を活用し豊かな日本手話で自分の意見を表現し,相手にきちんとメッセージを伝えるレベルを目指す。全国手話検定試験2級合格レベルを目安とする。また,コラムでは,言語としての手話・芸術について学び,異文化への理解を深め、コラムの総まとめとして将来への展望へと考察を進める。関連分野のろう者をゲストスピーカーに招き,習得した知識の幅を広げる(予定)。