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2022年6月16日(木)SPIRITのInternet Explorerサポート終了について

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立教生による講義レポート!

全学共通カリキュラム
ボランティア・「耕す知」と「共生」の探求
担当:平野 方紹教授、中村 みどり兼任講師

レポーター : 法学部法学科2年次 宮原 千青

ボランティアとは一体何でしょうか? 「大学生のうちにボランティアをしてみたい」と考える方は多いと思います。しかし、ボランティアとは何かを学問的に学ぶ機会はほとんどありません。それ故、ボランティアに対して、ハードルの高い活動とか単に自己満足のためなのではないか、というイメージを持つ傾向があります。この授業ではそういった学生の疑問を解消できる講義がなされます。
この授業では、ボランティアの歴史を理解した上で、震災復興、障がいのある方や高齢者への支援、国際協力など、さまざまな分野で活動されているゲストスピーカーと学生の双方向でつくり上げる授業です。
この日は、立教大学OBのゲストスピーカーの鏑木武弥さんが、国内外の農村地域でのボランティアについて、学生時代から自分の経験を振り返りながら、現在の仕事につながるお話をしてくださいました。立教の先輩として、知識だけではなく、コミュニケーションから相手と理解し合うためのアドバイスをくださいました。

これまでの授業では、例えば、最近話題になっている子どもの貧困について、立教大学のある池袋で経済的・家庭的事情のために就学や高校進学すら危ぶまれている多くの児童・生徒がいること、ボランティアによる学習支援などによってそうした子どもたちを支えていることを知り、身近に差し迫った問題であると実感しました。障がいのある方については、「手話・点字を使いこなせる方は少数派で、多くの方は十分に理解できない」という事実に衝撃を受けました。手話・点字があれば障がいがあっても不自由なく暮らせるという自分の思い込みは大きな間違いであることに気づかされ、一人一人多様である社会の中で共に生きることやボランティアとしての関わりについて改めて考えました。

中でも一番印象に残った授業は、宮城県気仙沼市で震災復興活動に携わっている方のお話です。私は大学の復興支援活動に参加したので、自分にも共感できる点があるのではないかと期待をしていました。しかし、「『ボランティア』という言葉には相手との距離感がある」という意外な問題提起がされました。私はボランティアという言葉をネガティブに捉えたことがなかったので、人と人との距離を表す言葉にもなるという考え方自分にとってはとても斬新でした。ボランティアという立場にとらわれ過ぎずに、本来の人間同士の交流から、復興や町づくりに携わっていくという考え方も新しい視点でした。

授業では、大教室でありながらも、学生がコメントペーパーに書いた質問に対して、ゲストスピーカーの返答をその場で聞くことができ、興味が尽きることはありません。さらに、授業の中には「遊び」の要素が取り入れられています。例えば、講義の内容に関連して、ゲームをしたり、Mr.Childrenの音楽が流れたり、通常の授業では考えられない体験ができます。最初は戸惑いましたが、ゲームや歌詞のフレーズといった身近な題材から他者との関わり方をもう一度考えることで、人間の本性に迫り、講義からの学びを深めることにつながると分かりました。
以上のように、この授業は学部の専門科目では得ることのできない新しい発見に満ちています。そしてボランティアについての学習を通じて、人と人とのつながりを体感するとともに、人間の在り方を捉え直すことの大切さを私は感じています。

全学共通カリキュラムのWebサイトはこちら

  • 取材日:2014年6月17日(火曜日)10:45~12:15
  • 教室:池袋キャンパス 5号館1階 5122教室

授業概要(2014年度シラバスより)

授業の目標

「ボランティアは、一部の人が行うもの」という限定的なイメージから、「誰もが関われるもの」といった捉え方の転換を導くことによって、社会におけるボランティアの意義を明確にし、ボランティアの裾野を広げていくことを目的とする。様々なボランティアの現場から見えてくる社会的課題の存在や多様性の承認の理解を深め、共生社会の実現に主体的に参画していくことのできる、開かれた教養を身につけることを目指す。

授業の内容

ボランティアをめぐる歴史や言説、教育や社会運動、現代の多様な活動の広がりを概観することを通じて、個々人が自己の中にあるボランティアの概念を客観的に整理し理解を深める。
いくつかの活動フィールドからボランティア活動や社会貢献に関わるゲストスピーカーを迎えて、「ボランティアからの広がり」にフォーカスを当てた議論を展開し、ボランティアに求められていること、活動を生かすための仕組み、関わり合うことによって得る気付き、社会に与えるインパクトを、受講生が具体的にイメージしながら考察することを導く。また、ワークショップを交えて、より良い共生に向かうための合意形成や提案についても学んでいく。